健康情報

2020.05.19漢方薬を知ろう!

はじめに

漢方と言えば「中国」と思い浮かべる方が大勢いますが、確かに、起源は中国(漢時代:紀元前200年前~紀元後200年前)で、神農本草書が最古の生薬(漢方の原料)について書かれたものです。しかし奈良時代に日本に伝来して以降、日本で独自に発展してきた医学・薬学のことなのです

中国では現在までに「中医学」という形で中国伝統医学が発展しています。なので漢方とは言わず、「中成薬」と言う別物になりますので注意してください。

それでは、現在数多く処方されている漢方について簡単に学んでいきましょう。

1.漢方薬とは

漢方薬と西洋薬の違いは何でしょうか。簡単にまとめると、

漢方薬・・・・様々な効能・効果を持つ複数の生薬(天然に存在する薬効を持つ産物から有効成分を精製す
        ることなく体質の改善を目的として用いる薬の総称)を組み合わせたものの総称

西洋薬・・・・ある症状や病気に対して強い効果を持ち、原則的に単一成分で作られているものの総称

一般的に漢方薬は西洋医学の薬と比べて副作用が少なく、人それぞれの体質や症状に合わせて生薬を配合することで、より効果的な調整ができます。その結果、同じ症状がある場合でも、人によって違う漢方薬が処方されることも多いのです。

 

漢方薬は西洋医学の補完的な医療として使われることが多く、西洋医学だけで治らない訴えや病気に有効な場合があります。基本的にはエキス剤(インスタントコーヒーのような状態のもの)を使用します。

一番大切なことは患者さんと一緒に適切な漢方薬を探していくことです。同じような症状・病態でもその患者さんに合った漢方薬は異なってきます。

2.漢方医学の考え方


漢方医学では、病気を単に病変の起こっている局部的な問題と見るのではなく、「身体の中で病気に抵抗する体力と病毒が戦っている状態」と捉えます。体力のあり方は人それぞれで状態も異なってくるので、西洋医学では同じ病名でも、漢方医学では患者さんひとりひとりの状況に応じてそれぞれ異なる漢方薬が必要ということになります。(同病異治といいます)

簡単にまとめると

体質に合わせた治療・・・・漢方医学(東洋医学)

症状に合わせた治療・・・西洋医学

          ということになります。

 

.漢方薬の基本的なルール(服用方法など)

漢方薬は今では市販の医薬品として売られていることもあり、現代の日本人にも存在が浸透していることと思われます。したがって、安全にかつ効果的な服用が求められることも考えられます。

漢方薬の著書は数多くありますが共通した大まかなルールを列挙しておきます。

服用のタイミングは1日3回 食前or食間に服用する

・・・食後に服用すると食事の成分に近い生薬のせいで、バランスが崩れることがあります。ただし、どうしてもこのタイミングで服用できない場合は食後でも大丈夫です。

お湯に溶かして服用する

・・・多くの漢方はお湯に溶かして服用することで、その効果を最大限に活かすことが可能です。漢方薬の独特な香りも薬としての効果を含みます。ただし、冷やして服用するタイプの漢方薬も存在するので、薬剤師に相談してみてください。

3種類までしか同時に服用しない

・・・通常は1~2種類で服用します。併用する数が多すぎると、効果を減弱してしまうばかりか副作用を引き起こすので注意が必要です。

何か変であれば中止する

・・・漢方薬を飲み始めてから効果が現れるまでの時間は薬のタイプ、病気の程度、また飲む人の程度により千差万別です。急性病なら数時間から3日以内に何らかの反応が見られ、慢性病なら10日から2週間程度で変化がみられることが一般的です。効き目がないと感じればもう一度服用する漢方を検討しなおすことが大切です。味が合わない、服用できないといったことも中止の要因です。

すでに服用している西洋薬は中止しない

・・・病院などで処方されたお薬は勝手に中止してはいけません。あくまで漢方薬は補完的な治療薬です。

医師・薬剤師を積極的に頼る

・・・わからないことや身体の変化など些細な事でも積極的に話してみましょう。何かしら、治療の解決やヒントになる可能性が高いです。

 

まとめ

漢方薬について簡単に紹介しましたがいかがでしたでしょうか?小難しい話は避けて、基本軸を知ってもらえたらと思って書いています。

今までの治療で満足できていなかったり、体質自体を改善したいなどの希望を開くことができるかもしれません。とにかく、まずは相談すること、話を聞いてみることが漢方薬を取り入れる第一歩です

なごみ薬局グループでは漢方相談も承っております。各店舗で薬剤師に相談してみてください。お待ちしております。