健康情報

2022.04.16先発医薬品と後発医薬品(ジェネリック)について

先発医薬品とジェネリック医薬品(後発医薬品)の違いはご存知でしょうか。

その違いを理解するためには日本の保険制度について知る必要があります。

まず、日本では国民全員が何れかの保険組合に加入する国民皆保険制度です。

では、あなたが加入している保険組合から「ジェネリック医薬品希望シールを貼りましょう!」といった郵便物を受け取ったことはないでしょうか?

ではなぜ、そのようなメッセージ(郵送物)が届くのでしょうか?

答えは簡単です。ジェネリック医薬品は安価だからです。

日本の医療保険は公的医療保険で保障されており、財源は公費(38.1%)、保険料(49.4%)、患者負担(11.6%)で構成されています。(平成30年度)

病院や薬局にかかる患者さんが増加すれば、自動的に医療費は国全体で増加します。しかし、安価なジェネリック医薬品を希望する患者さんが増加すれば、その上昇も抑えることができるという仕組みです。

安いと効果が不安だと思われるかもしれません。また、安全性が低いと考える方もいるかもしれません。

そのような不安を払拭するために、今回は先発医薬品とジェネリック医薬品の違いについて学んでいきましょう。

1.先発医薬品とジェネリック医薬品の違い

先発医薬品は高価、ジェネリック医薬品は安価というイメージは正解ですが、ここではさらに踏み込んで説明します。

先発医薬品・・・医薬品は通常、10~20年の歳月と数は約百億円の莫大な費用をかけて研究・開発が行われます。そして第1相~第3相の臨床試験を経て有効性と安全性が確認された後、国に承認されてから発売に至ります。さらに発売後にも安全性などをモニタリングする必要があるため、製薬企業は1つの医薬品を製造するにも莫大な費用がかさんできます。また、新規に発売された医薬品には知的財産権が発動されるため、国が価格を決定する「薬価」にはその特許料が上乗せされているということです。

ジェネリック医薬品・・・先発医薬品の再審査期間と特許権存続期間(日本では20~25年)の両方が満了することで製造販売が可能となる医薬品です。先発医薬品と同一の有効成分を同一量含み、同等の臨床効果が確認されています。先発医薬品に比べると承認を得るために必要な試験の数も少なく、臨床試験の代わりに生物学的同等性試験のデータを用いることが可能です。研究開発に要する費用が低く抑えられることから、薬価も安く設定されています。ただし、医薬品に認められる効能効果が先発医薬品と完全に一致するとは必ずしも限りません。例えば1つの医薬品が5つの効能効果を国から承認されていても、ジェネリック医薬品では4つしかないということも少なからずあります。

どちらの医薬品も厚生労働省に認可されており、言うなれば「国のお墨付き」ということになります。

ジェネリック医薬品は「新薬と同等」と生物学的同等性試験で証明された結果、認可されるので医薬品の添加物や製造方法が異なっても問題はないと言えます。

 

2. オーソライズドジェネリック(AG)

近年、「AG」という言葉を耳にしたことはないでしょう?

オーソライズド・ジェネリック(AG)は「許諾を受けたジェネリック医薬品」という意味です。

AGは新薬メーカー(先発医薬品を製造している製薬会社)から許諾を得て、原薬、添加物および製法等が新薬と同一のジェネリック医薬品を製造しています。

つまり、先発医薬品と全くそのままで、安価に医薬品を手に入れることが可能になります。

多くは、先発医薬品メーカーが子会社または系列メーカーを設立し、その会社に製造・販売をさせるので、従来の先発医薬品に対する安心感と同等のものが得られます。

ジェネリック医薬品に不安がある方はAGというもう一つの選択肢を選んではいかかでしょうか。

 

ここまで、先発医薬品と後発医薬品について説明して参りましたが理解いただけたでしょうか?

気になることがあれば、各店舗の薬剤師にお問い合わせください。来局時での質問も受け付けています。