健康情報
2023.01.24冬のお肌の乾燥対策について
なぜ冬は特に乾燥するのか
冬は1年の中で最も肌が乾燥しやすい時期です。かゆみ・湿疹・炎症・ひび割れなど様々な症状を引き起こします。冬に肌が乾燥する原因は気温と湿度の低下です。それらが、脂腺や汗腺の分泌量が低下し、皮膚のバリア機能(皮脂膜)を失わせます。そして、皮膚の表面が乾燥して角質がはがれ、カサカサになります。つまり、皮膚が刺激に負けやすい状況が発生します。
このような症状は「皮脂欠乏症」という疾患に分類されます。冬という環境要因で発生する場合は「冬季乾皮症」と診断されることがあります。どちらにせよ、かゆみを伴ったり炎症を発生させる疾患です。
2021年の皮脂欠乏症診療の手引き(ガイドライン)においては「皮脂欠乏症は乾皮症と同義の疾患であり,水分保持機能や表皮被覆機能の破綻により,皮膚乾燥を呈する疾患の総称である.重症化すると,強い瘙痒を伴うことが知られており,適切な治療を怠ると皮膚の一部で炎症症状を伴う皮脂欠乏性湿疹を発症する」と定められています。
乾燥肌対策は?
まずは生活習慣を見直しましょう。以下のような行動を取っていませんか?
お湯で手を洗う。熱いシャワーを浴びる。長時間湯船につかる。ヒーターなどを長時間使用する。
素手で食器を洗う。冷え性。ストレスが多い。食事が不規則。睡眠不足。etc.
こうした乾燥肌は、日常のちょっとした心掛けで予防できます。
まず肌に十分な水分を与えることが肝心。保湿クリームを夏場より多めにつけるのもいいでしょう。
風呂上がりに完全に水分を拭き上げるのではなく、少し水分を残した状態で保湿クリームなどを塗布すると効果がさらに期待できます。
暖房やヒーターを使用する場合は室内に濡れたタオルや洗濯物を干して加湿したり、加湿器を使用して室内がカラカラの状態にしないようにすることも大切です。
入浴時の湯の温度は40度以下を目安としましょう。
熱い湯に長風呂だと皮脂がとれやすくなり、熱い湯は痒みを誘発するのでつい引っ掻いたり、強くこすったりして肌を傷めがちです。(悪循環の原因です。)
また、石鹸・洗浄剤の主成分は界面活性剤ですので,過度の使用やすすぎ残しは皮膚の乾燥を悪化させる可能性があります。ゴシゴシ洗いも同様です。
使用する保湿剤は?
医療用医薬品の場合(処方箋が必要)
尿素・・・ウレパール、ケラチナミン、パスタロン(クリームまたはローション)
ヘパリン類似物質・・・ヒルドイド(ソフト軟膏・クリーム・ローション・ゲル・フォーム)
※その他症状によって、ステロイド剤や鎮痒薬などを併用する。
市販薬の場合
白色ワセリン・・・プロペト
固形の油脂であるワセリンが、皮膚を乾燥や異物への暴露から守ります。
保湿効果は高く、医薬品・化粧品の中でトップクラスに位置します。 ベタベタした使用感が気にならない方におすすめです。
尿素・・・ウレパールクリーム、ケラチナミンコーワ、尿素スキンクリーム
尿素クリームは手荒れや皮膚のガサガサ、硬くなった角質などに効く保湿剤です。
低濃度(約10%以下)では皮膚の水分を保持し乾燥を防ぐ働きをします。
高濃度(約10%以上)では、硬くなった角質をやわらかくする働きをします。
ヘパリン類似物質・・・HPクリーム、ヒルマイルド、ビーソフテンαローション、アトフィンクリームetc.
ヘパリンとは、人の肝臓で作られる糖類の一種です。血を固まりづらくする作用があり、医療の分野では血液抗凝固剤として使われています。そのヘパリンに似た構造を持っており、皮膚において吸水作用や保水作用を示すのがヘパリン類似物質です。また、天然保湿因子が復活しやすくなります。油性クリーム・水性クリームのほかローション・スプレータイプなど剤形の種類が豊富です。
まとめ
冬の乾燥原因と対策についてはいかがでしたか?
今回は環境要因のみでの乾燥についてでしたが、生理的要因など様々な理由で皮膚の乾燥は起こります。
要因に合った対策と治療で豊かな生活をめざしましょう!
なごみ薬局グループでは乾燥対策でお困りの方に向けて相談を受け付けております。お気軽にお問い合わせください。