健康情報

2019.07.26生活習慣病シリーズ   ~ ①高血圧 ~

血圧とは何か?

「高血圧は危ない!」「高血圧には要注意」など世間では当たり前のように、このキャッチフレーズがありふれています。自分は普段から血圧が高いな、と感じている方や高血圧になりたくないなという方は、一緒に学んでいきましょう。

では、高血圧によって何が引き起こされるのか?その答えは以下の3つに分類されます。

  1. 脳卒中(くも膜下出血、脳出血、脳梗塞etc.)
  2. 心疾患(心不全、冠動脈疾患、心筋梗塞etc.)
  3. 慢性腎臓病(腎不全、腎硬化症etc.)

 

恐ろしい疾患ばかりが並んでいますが、高血圧の初期には病理学的変化は起こりません。重症または長期の高血圧は標的臓器(主に心血管系,脳,腎臓)に損傷を与え,上記のリスクを増大させます。とりわけ、脳卒中は高血圧が原因として多大な影響を与えることが報告されています。(男女差なし)

どのような種類があるか?

ひとえに、高血圧と言っても大きくは2種類に分類されます。前提として基本的な血圧の基準は以下の表を参考にしてください。

公益財団法人日本心臓財団HPより抜粋

高血圧は以下の種類に分類されます。

  • 本態性(原発性)高血圧・・・遺伝性説が濃厚で90%を占める
  • 二次性高血圧・・・疾病や妊娠などにより発症する(10%)

 

治療方法は?

高血圧症の治療は生活習慣の修正が基本となります。そこに加えて、薬物治療とするのが一般的です。

では基本となる生活習慣の修正とは何が含まれているのでしょうか。以下を見てみましょう。

  • 塩分制限・・・減塩目標値を6g/日未満
  • 野菜・果物の積極的な摂取
  • 脂肪・・・コレステロールや飽和脂肪酸の摂取を控え魚(魚油)の摂取を積極的に
  • 運動・・・心血管病の無い人は有酸素運動を行う
  • 節酒・・・アルコール摂取を控える
  • 禁煙・・・受動喫煙も含まれる

この6つに追加して行われるのが薬物療法です。個々の高血圧患者に対しては,最も降
圧効果が高く,合併する種々の病態に適した降圧薬を選択します。

第一選択薬としてガイドライン上で挙げられているのが、以下の4つになります。

  • Ca拮抗薬・・・血管平滑筋の Ca チャネル(生体膜の入り口)を遮断することで、動脈拡張します。多くのCaチャネル遮断薬は、主に CYP3A4 で代謝されます。そのためグレープフルーツジュースなどの柑橘類と相互作用し、降圧作用が増強されます。
  • ACE 阻害薬・・・ACE(アンギオテンシン変換酵素)を阻害するお薬です。心不全改善作用や、腎臓保護機能もあることが知られています
  • ARB・・・血圧はさまざまな要因により調節されていますが、最も大きな影響を与えるのがレニン‐アンジオテンシン(RA)系のホルモンです。アンジオテンシン受容体を阻害して血圧を下げるお薬です。腎臓保護作用もあります。
  • 利尿薬・・・その名の通り尿量を多くして血圧を下げるお薬です。血液循環量(血液は水分である)を減らし、降圧効果を示します。

多くは単剤から使用を開始し、次第にそれぞれのお薬を組み合わせて治療目標を目指していきます。

終わりに

高血圧は普段の生活では症状を感じられませんが、最終的に大病を患う可能性があります。早めの対策が何よりも大切です。無理なく続けられる健康習慣を実践していきましょう。気になることや何をすればいいかわからない方は医師・薬剤師に相談してみましょう。