健康情報

2020.10.28酸化マグネシウムについて知っておいてもらいたいこと

便秘の症状があるとき、お医者さんや薬剤師さんに相談すると「酸化マグネシウム」を勧められた経験はありませんか?処方せん医薬品や一般にドラッグストアで売っている商品でも目にしたことがある、またはCMなどで聞きなじみのある名前ではないでしょうか。酸化マグネシウム錠やマグミット、カマグなど色々な名称がありますが、どれもこれも同一物質です。しかし、酸化マグネシウムには便秘症の改善だけではない、メリットとデメリットが存在します。

今日はそんな「酸化マグネシウム」について学んでもらい、健康情報の一部として皆さんに役立てて頂きたいです。

そもそも酸化マグネシウムってなに?

酸化マグネシウムとは金属であるマグネシウムを燃焼させて生成される物質のことを指します。マグネシウム自体は人間にとって必須のミネラルで、生命活動に深い関係のある体内の酵素反応のうち、実に300種類以上のものがマグネシウムなしでは成り立ちません。ホルモン分泌や神経伝達、筋肉の収縮といった反応はすべてマグネシウムと関係しています。また、酸化マグネシウムを摂取することで得られる効果は以下のようになります。

尿路シュウ酸カルシウム結石(尿路結石)の発生予防・胃炎の症状の改善・胃炎の制酸作用・胃潰瘍の症状の改善・胃潰瘍の制酸作用・胃下垂症の症状の改善・胃下垂症の制酸作用・胃酸過多症の症状の改善・胃酸過多症の制酸作用・急性胃炎の症状の改善・急性胃炎の制酸作用・十二指腸潰瘍の症状の改善・十二指腸潰瘍の制酸作用・上部消化管機能異常の症状の改善・上部消化管機能異常の制酸作用・神経性食思不振の症状の改善・神経性食思不振の制酸作用・便秘症・慢性胃炎の症状の改善・慢性胃炎の制酸作用・薬剤性胃炎の症状の改善・薬剤性胃炎の制酸作用、と様々です。

大きくは便秘症の改善、胃酸を抑える作用、尿路結石の予防の3つに分類されます。

酸化マグネシウムと便秘

 

便秘はさまざまな原因があります。たとえば、朝食をとっていない、食事の時間が不規則である、といった生活スタイルが原因となることもあります。また、糖尿病の薬や抗コレステロール薬、抗うつ薬、抗パーキンソン病薬などの薬が原因となって便秘症が生じることもあります。そのほかにも、糖尿病や甲状腺機能低下症、電解質異常、尿毒症、強皮症、パーキンソン病、うつ病、大腸がんなどの病気を原因として発症するケースもあります。

便秘症は多くは女性・高齢者に好発し、加齢により増加します。

そこで使用されるお薬が酸化マグネシウムです。そもそも、便秘が慢性化する主要な原因のひとつに、「大腸内の水分不足」があります。便は腸内の水分を吸収することで膨らみ、膨らんだ便によって腸が刺激され排便を促しますが、腸内の水分が足りなければ便を膨らませることができません。また、水分を吸収できないことで便が硬くなり、容積も小さくなってしまうことから腸を刺激することができず、便秘を引き起こしてしまうのです。酸化マグネシウムには水分を吸収する働きがあり、一度吸収した水分は腸壁に吸い取られることなくそのまま便を柔らかくしたり、便の容積を増やしたりすることができます。便が柔らかく膨張することで腸が優しく刺激され、ぜん動運動を活性化させて便秘を解消させることができます。つまり腸を直接的に刺激せず、腸内の水分バランスの調整で排便を促すため、セになりにくいというメリットがあります

酸化マグネシウムを服用する上で気を付けたいこと

酸化マグネシウムを長期間服用することで起こる高マグネシウム血症という病態が存在します。症状としては、悪心、嘔吐、皮膚紅潮、傾眠、低血圧などがあり、最悪の場合は心停止などが現れます。腎機能が低い方や長期服用されている方は定期的に検査を行う必要があります。

こちらに持田製薬の酸化マグネシウムに対する注意喚起文書のリンクを掲示しておきます。   

 →→     「酸化マグネシウムの適正使用について

今後も使用には十分注意して服用しましょう。