健康情報
2025.06.23高血圧と上手に付き合うために
高血圧は「サイレントキラー(沈黙の殺し屋)」と呼ばれるほど、自覚症状のないまま進行する怖い病気です。気がつかないうちに血管に負担をかけ、心臓病や脳卒中、腎臓病などの重篤な病気を引き起こすこともあります。
今回は、高血圧の原因と予防、そして日常生活で気をつけたいポイントについて一緒に見ていきましょう。
高血圧とは?
血圧は、心臓が血液を全身に送り出すときに血管にかかる圧力のことです。
上(収縮期血圧)が140mmHg以上、または下(拡張期血圧)が90mmHg以上の状態が続くと「高血圧」と診断されます。
高血圧の主な原因
-
塩分の摂りすぎ:日本人は平均で1日約10g前後の塩分を摂取していますが、目標は6g未満です。(人種差あり)
-
ストレスや睡眠不足
-
運動不足
-
肥満や過剰なアルコール摂取
-
遺伝的体質(家族に高血圧の人がいる)
※高血圧は加齢とともに増えやすく、特に40代以降の方は注意が必要です。
ちなみに・・・日本人はどれくらい塩分に注意すべき?
塩分感受性は以下のような遺伝的・生理的な要因に影響されます:
-
腎臓でのナトリウム再吸収の差(遺伝的な個体差)
-
レニン・アンジオテンシン系の活性の違い
-
血管の反応性や体液の調整能力の違い
-
厚生労働省の目標:1日6g未満(実際の平均摂取量は男性10g以上、女性9g前後)
-
WHOの基準よりも厳しい:WHOは1日5g未満を推奨
塩分の多い食事は、高血圧・脳卒中・心不全・腎不全などのリスクを高めるため、日本人は特に注意が必要です。
自覚症状がないって本当?
多くの人は高血圧でも症状を感じません。しかし進行すると…
-
頭痛や肩こり
-
めまい、動悸、息切れ
-
耳鳴りや視力の違和感
といった症状が出ることもあります。血圧測定は「異変を感じたとき」ではなく「定期的に測る」ことが大切です。
生活で気をつけたいこと
食事
-
減塩を心がけましょう(だし・香辛料で味に変化をつけて)
-
野菜や果物(カリウム)をしっかり摂る
-
食べすぎ・飲みすぎは血圧を急上昇させます
運動
-
ウォーキングや体操などの軽い有酸素運動を習慣に
-
1日30分を目安に、週に3日以上が理想です
その他
-
禁煙、節酒、十分な睡眠
-
ストレスを溜めない工夫(趣味・リラックスの時間)
お薬との付き合い方
高血圧のお薬は、血圧を下げることで合併症を予防するのが目的です。症状がなくても「毎日きちんと続けること」が何よりも大切です。
よくある質問:
-
薬を飲み始めたら一生やめられない?
→生活習慣を改善すれば減薬・中止できる場合もあります。医師と相談しましょう。 -
副作用が心配…
→めまいや立ちくらみが出ることがありますが、種類を変えることで対処可能です。
最後に
高血圧は、正しく向き合えば怖くありません。
ご自身の生活を少しずつ見直すことで、薬に頼りすぎない健康的な血圧管理が目指せます。
なごみ薬局グループでは、血圧測定やお薬相談をはじめ、生活習慣のアドバイスも随時受け付けております。
ご不明な点があれば、どうぞお気軽にスタッフまでお声かけください。